清瀬ATHELETES

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100m走は職人技の完成度を競う競技  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 8月18日(月)01時09分35秒   返信・引用  編集済
  不思議なことに専門種目が100mから、より距離の長い種目へとシフトして行く選手は数多く見かけるのですが、その逆の例というのはほとんど皆無です。北京オリンピックの100mで金メダルを獲ったボルト選手は正にその例外中の例外だともいえるでしょう。

なぜ短距離から中長距離種目へのシフトという現象だけが起こっているのか、その原因は競技種目の総歩数にあると考えられます。11秒台半ばで走るクラスの男子100m選手ではスタートから50歩程度でゴールに達します。1500m走ではゴールまで約1000歩が必要と思われるので100mに対しては約20倍の歩数が必要になります。100m走では一歩の接地の失敗が総歩数の2%に相当してしまいますが、1500m走ではたったの0.1%にしかなりません。つまり100m走ではたった一歩の失敗でも記録への影響度が距離の長い種目に比べて格段に大きくなってしまいます。それも中長距離のようにペース配分がされた走りではないので、全力疾走で失敗のない走りというのが100m走では要求されるのが100m走の一番難しいところだと思います。

それがどういうことを暗示しているのかというと、スタートからゴールまで身体をどのように動かして行くかという正確な動きを常に頭に描いて、それを実現するためのトレーニングを行っていなければ100mの記録はあるところで頭打ちになってしまうということです。失敗歩数を少なくする努力がなければ、下手な身体の動きでどんなにたくさんの走り込み練習したとしても、記録向上へはつながりにくいというのが100m競技の特徴ともいえます。裏返せば、失敗した走り方と上手くできた走り方の違いを選手自身が分からないまま練習を重ねてしまい、下手な動きが身体に染み付けてしまう悪循環に陥るから記録も伸びなくなってしまうということです。

正確な身体の動きを全力疾走でも正確に決められる職人技の完成が100m選手には要求される能力だと思います。そこに気づかず我武者羅に猛練習しても記録が伸びず、より長距離へと専門種目をシフトして行ってしまう選手が多い原因となっているのではないかと想像しています。

一見、馬力競争のように見えてしまう100m走ですが、一歩一歩の失敗が記録に大きく影響してしまうことを考えると、馬力よりもいつも正確に発揮できる職人技を競う競技というのが私の感想です。
 

飲酒とスポーツ選手のパフォーマンス  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 8月 4日(月)00時40分14秒   返信・引用  編集済
  大学生ともなると成人も多いので飲酒する機会も多いと思います。アルコールには利尿作用があるので、スポーツ選手が深酒し過ぎてしまうと脱水症状によって翌日のトレーニングに影響が出てしまいます。特に暑い夏場は発汗だけでも脱水症状を起こし易くなるのでアルコールの影響がそれに拍車をかけてしまいます。

脱水症状の初期症状では手足や腹筋の痙攣が起こり易くなります。もし筋肉が大きな力を発生しているときに、運悪くその部分が痙攣を起こしてしまうと肉離れなどの怪我に至ってしまう危険もあります。自己のパーフォーマンス向上を目標に夏場に追い込んだ練習を集中的に取り組もうとする際は、脱水症状を起こさないように日常生活の中でも身体のコンディショニングにも気を配ってこそ本物のアスリートである証だと思います。コンディショニングへの気配りがおざなりになっている選手がいたら、アスリートたちの眼から楽しむための道楽でやっている人々の部類としか映らないでしょう。

脱水症を予防するためには水分の補給はもちろんのこと塩分の補給も必要です。夏場の練習での水分補給量は15分ごとに100ml程度が目安とされています。汗で塩分やミネラル分も失われてしまうので単に水の補給だけでなく2時間で500mlのスポーツドリンク1本程度の割合で摂取するようにもしましょう。飲み物は冷たい方が早く体内に吸収されるので、ペットボトルクーラーなどを使って飲み物をなるべく冷たく保つような工夫も必要です。


スポーツ栄養士の方がスポーツ選手とアルコールについての記事を書いています。

http://www.fujitv.co.jp/sports/sports_column/oishii/oishii_10.html

 

スプリントクリニック  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 7月29日(火)01時20分43秒   返信・引用
  200mの元中学記録保持者で現在都立高校の先生がスプリントクリニックとして様々な理論、知識、トレーニング方法についてホームページで紹介していますので参考にしてください。内容は専門レベルの高い体育学の見地からの体系としてまとまっています。自分は本物のアスリートと自負している選手であれば、当然、日夜、様々な理論やトレーニング方法を勉強しているはずなので、既に相当な知識は持っていると思いますが、このスプリントクリニックのページは知識に磨きをかける上でも貴重な情報源になります。

総じて体育学的にはトレーニングは出力(筋力)強化ということにポリシーがあるようですが、私は工学的な見地から理に適うメカニズム、素性のよい(発展性のある)技術、ロバスト性(外乱に強い)に重点を置いたポリシーでいます。つまり、走り方の設計図を仕上げるのが最優先で、その設計図に登場しない筋力は強化不要というポリシーです。体育学では経験的に知られている必要とされる筋肉を予め補強する考え方ですが、工学的な考え方では設計図で不要としている機能部品は取り外すというコストダウンの考え方になるので、トレーニングのやり方も全く正反対に近いアプローチになって来ると思います。互いにオリンピックの金メダル選手を育てたアメリカのコーチの走理論でも相反する主張の部分があるのでトレーニング理論や走理論というものには正解はないと考えています。

http://www10.plala.or.jp/azzurri/sprint/

 

腕振りタイミングの調節方法  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 7月26日(土)02時01分21秒   返信・引用  編集済
  腕振りタイミングの調節は肘の開角度を調節するのが最も簡単な方法になると思います。つまり肘を開いて肩と手首を結ぶ線の長さ(すなわ腕の回転半径)をより大きくすれば、腕を振るにはより大きな力が必要になるので腕の動きが鈍くなります。それが結局、腕の移動を遅らせることになるので、早すぎるタイミングを遅らせることに応用できます。メカニズム的にはこの方法で腕振りのタイミングを調節できるのですが、実際はそんなに単純な動きではありません。
7月21日の記事に添付した2人の選手を比較すると分かると思いますが、写真上段の選手は腕が動くに連れて肘の開角度も変化して行く走り方をしていますが、下段の選手は肘の角度をほぼ一定に保つような走り方をしています。腕の振れ角度に応じて肘の開角度もコントロールして行くというのは走技術の世界です。
腕の振れ角度と肘の開角度の組み合わせ方は無限にあるので、自分の走りに適した上腕と下腕の動かし方を見つけ出すにはそれなりのトレーニングを必要とすると思います。これもドリルを中心としたトレーニング方法でなければ修得できない技術だと思います。

100m走は単純に全力疾走しているだけの競技に見えますが、速く走れるようになるための背景では様々な走技術の修得が必要になります。その技術修得の多くが、実際にはドリルを主体としたトレーニング方法でしか成し得ないというのも現実でしょう。ここにトレーニング方法のノウハウを持っている強豪校の強みがあるように思います。

もし、トレーニングと称して実際に行われていることが、ただ走ったり、補強や筋トレをしているだけのことであったら、それは見た目の形を真似ているだけに過ぎません。たくさんの練習をこなしたという自己満足は得られるかもしれませんが、絶えず真剣勝負に挑む競技者としてのトレーニングのあるべき姿からは程遠いものになってしまうと思います。
 

100m走腕振りタイミング  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 7月24日(木)01時56分56秒   返信・引用  編集済
  14大学対校のビデオから100m走電大生の腕振りタイミングを検証してみました。
11秒40、11秒57、11秒85、12秒11の選手は概ね妥当な腕振りタイミングで走っていました。ただ、12秒11の選手はタイミングとしてはほぼ妥当なのですが推力に活かせるような腕振りが出来ていません。硬直したような腕振りをしています。これはどうも30m辺りから指を拳のように力を入れて握り締めてしまう癖があるようです。俗に言う肩に力が入ってしまい、無理やり腕を振っているようなぎこちない動きの腕振りになっています。後半でも指をバーのようにして走るように改善するだけでも簡単に11秒台で走れるようになると思います。指を開くと腕が硬直状態になってしまうのが緩和されます。
11秒92の選手は右腕は妥当なタイミングなのですが左腕のタイミングに狂いがあるようです。後ろから前へ移動する際の左腕を振るタイミングが早過ぎて右足が落ちる時間が早まって大きなブレーキが発生する位置での接地になっています。
最後に11秒76の選手ですが完全に腕振りタイミングが合っていません。この選手の腕振り以外の点を見れば11秒50前後で走れないのが不思議に思われるほど発展性のある良い走り方をしています。正しい腕振りのタイミングをマスターさえすれば、すぐに11秒50を切れる選手に成長できると思われます。

腕振りタイミングの基本は、支持脚(接地している脚)が最大荷重を受けた瞬間に、後ろから前に移動する腕の肘が上体の真横の位置にあることです。つまり、このときに後ろから前に移動している上腕が真横から見て上体と重なった位置になっていることです。タイミングが合っていない選手は、肘の位置が前方に進み過ぎてしまっています。100分の1秒単位というレベルでの腕振りタイミング合わせになるので、意識して取り組まないとなかなか修得できる技術ではありません。合宿などでビデオを使って確認しながら改善に取り組むのがよいかもしれません。ビデオは1秒間30コマで撮影されるので1コマは30分の1秒という時間です。
 

訂正  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 7月23日(水)23時19分52秒   返信・引用  編集済
  7月5〜6日の14大学対校100m分析の記事中で一部の選手のデータが間違っていました。お詫びして訂正します。正しくは以下の通りです。

11.40/6.2/9.6 [11.4] ○
11.57/6.3/9.4 [11.6] ○
11.76/6.4/9.3 [11.7] ○
11.85/6.5/9.3 [11.7] ▲
11.92/6.3/8.9 [12.2] ▽
12.11/6.6/9.1 [12.0] ▲
 

14大対校100m決勝の1コマ  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 7月23日(水)01時04分3秒   返信・引用  編集済
  先日の14大対校100m決勝レースを撮影したビデオを観察していたら経験的に11秒30の壁があると感じていたことを裏付けるヒントを見つけました。写真は60m地点(風向計の位置)の真横から撮影した様子ですが、先頭集団5選手のゴールタイムは10秒98〜11秒17、後方集団3選手のゴールタイムは11秒34〜11秒51です。また着順は1着が5レーン、以下4、3、6、2の順で先頭集団がゴールし、7、8、1レーンの順で後方集団の選手がゴールしています。
この集団の境目に11秒30という線引きあるのですが、それぞれの集団の中の選手には共通点が見られます。後方集団の選手たちは皆身体の前傾量が大きく、先頭集団の選手たちは多くがほぼ鉛直に立った姿勢で走っています。後ろに映っている風力計の支柱や吹流しの支柱は鉛直に立っているのでこれらと比較してみると身体の前傾量が一目瞭然です。先頭集団の中でもこの時点で身体の前傾量が他の選手よりも大きめだった6レーン、2レーンの選手はゴールでは4着、5着と遅れていました。
このレースで得たデータから経験的に感じていた11秒30の壁というのはダイナミックな状態にある姿勢をコントロールする技術が作り出す壁のような気がしてきました。ダイナミックな動きの中で身体の傾斜を絶えず鉛直に保って走るというのは、いくつもの高度な技術や研ぎ澄まされた感覚を修得して実現できることだと思います。ただ単に何本もの走り込みを行ったとしても、身体がヘトヘトになった状態で走り込みを行っても、人間疲れてくるとどうしても前傾して走ってしまうのでこの技術修得の練習にはなりません。この技術を意識して行うドリルを実施するか、十分な休養を入れたインターバルで修得して行くかという方策になると思います。いつも正確な位置に接地できる技術、遊脚の引き戻し遅れを生じさせない技術、体幹軸を形成させる技術など様々な要素技術がある上に成り立つのが身体を鉛直に保って走る技術だと思います。この身体を鉛直に保って走れる技術が11秒30突破の主要な要件になっているとしたら、その技術を作り上げるための体系的なトレーニング手法を採らないかぎり技術の修得は困難だと思われます。今日は何mと何mを何本ずつとかいう質レベルのトレーニング計画だけでは、到達できる目標レベルではないと思います。裏返せば実際には多くのトレーニングがそのレベルでの質で行われているから11秒30突破が現実にはかなり高いハードルとなってしまっているのかもしれませんね。
 

100mでのフォーム分解写真  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 7月21日(月)02時35分32秒   返信・引用  編集済
  先日の14大学対抗で撮影したビデオから電大生のフォーム分解写真を作成してみました。撮影地点では他の選手と重なって映っていた選手がほとんどだったので、レースでは先頭を走っていた選手2人で分解写真を作成しました。トップスピード領域だと思われる60m付近(後ろに映っている風向計が60m地点)でのフォームです。2人の選手のゴールタイムは11秒40と11秒85と0.45秒の差がありましたが、走りのフォームの違いは素人目にも一目瞭然だと思います。4つの分解写真がありますが、この間、ビデオの4コマで、たった0.1秒間での動きの変化です。

上下の写真を見比べると誰でもとちらの選手が11秒40で走った選手なのか、何も知らない素人でも一目で判別できてしまうと思います。それは素人でも1コマ目と2コマ目のフォームの違いから感じ取られることだと思います。
もし、この2人の選手の違いを走り込んだ練習量の違いと考えた人がいたら、それは大きな間違いです。走りこんだ距離という観点では11秒40で走った選手は、おそらく11秒85で走った選手の30%にも満たない距離しかないと思います。ウォーミングアップで走る距離を含めても1日の練習では1km以下の距離しか走っていません。1週間の練習日数もほぼ同じ程度なので3倍以上もの練習量がある選手の方が記録が伸びるというのが常識だと思われてしまうのですが現実はその逆の現象になっています。これが練習内容の質の違いの結果というものになっていると思います。11秒40の選手は練習の時に絶えず前もって考えた様々な走りのフォームでの効果を試すということを行っています。多くの選手では前もって効果を試す走りのフォームを考えるという予習の意識がないように見受けられます。その違いが同じ練習時間を費やしても効果として手に入れられることに差が出てきてしまうように感じています。
この11秒85の選手は現状の走り方でもアゴを引いて走るように意識して練習すれば0.2秒から0.3秒は簡単に速くなれると思われます。現状の走りでは上体の前傾量が大き過ぎるので前に倒れ込んでしまわないように後頭部を後ろにして重心のバランスを取っている走り方になっています。この走り方ではキックで発生する力が身体が倒れこまないように上体を起こすことに使われてしまうので推進効率が落ちてしまいます。アゴを引いて走れる上体の前傾量に抑えて走る練習をすれはキックの推進効率が上がって記録も伸びると考えられます。このように改善すべき点を意識した練習をしているか否かで同じ練習時間でも得られる成果が違ってきてしまうと考えられます。

この2人の分解写真を比較すると走り方のメカニズムそのものに大きな違いが見つかります。その違いが遊脚(引き戻し足)の戻り速さの差となって現れています。そのメカニズムの違いを見抜いた選手がいたら、それはいつも走り方を相当研究しながらトレーニングをしている選手でしょう。そのような選手なら大きく飛躍できる可能性を秘めていると思います。
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男子100m11秒30の壁・続編  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 7月17日(木)01時57分15秒   返信・引用  編集済
  11秒30をクリアできる選手の走りに共通している目立つ特徴は、後半でも後ろへキックした足の引き戻しが速いということです。それがどのようなことを指しているのかというと接地した瞬間には、もう一方の引き戻している足の膝が接地足の膝と並ぶ位置まで戻っているということになります。それが100mの終盤でも既に出来ている選手であれば走り込むことによって11秒30突破も夢ではないと思います。

しかしながら多くの選手はそのような走りができていないのが現実の姿だと思います。それはキックで加速する際も、その足を引き戻す際も大腿四頭筋だけを使った走り方をしているのが原因だと考えられます。大腿四頭筋は大きな力を出すことができる筋肉ですが、その出力を持続できる時間はわずか数秒間しかないというのが定説です。100m走は無酸素運動になるので筋肉がパワーを出すと筋肉中に乳酸生成されます。筋肉中の乳酸濃度があるレベルを超えてしまうと筋出力を発生させる化学反応が鈍くなり筋出力が急激に低下してしまいます。トレーニングによって筋肉の耐乳酸性をある程度は向上させることが出来るそうですが、大腿四頭筋の出力は通常6〜8秒程度の持続時間しかないと言われていますので、トレーニングで向上出来るレベルは、せいぜいその10%、20%アップというレベルが限界だと推定されます。このように考えて行くと全てが大腿四頭筋だけに頼る走り方をしている限り、どんなにたくさん走る練習を積み重ねたとしても11秒30突破は届きそうで達成できない目標になってしまうはずです。大腿四頭筋だけに頼らない走り方を身に付けること、それがすなわち走技術の修得という困難な課題に直面することになってしまいます。この難題をどのような走技術を使って克服して行くのかは選手の自由選択ですが、もし走技術というものに意識がない選手であれば、どんなに練習したとしても11秒30突破というのは偶然の奇跡が起こらない限りあり得ないことだと思っています。
 

100m走後半での失速  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 7月11日(金)01時59分57秒   返信・引用  編集済
  オリンピックで金メダル競争をするクラスでも100m走の後半で失速が生じてしまうことは100m選手なら誰でも知っていると思いますが、それがタイムに影響する程度を把握している選手はほとんどいないと思います。インカレ標準記録突破にあと0.1秒というクラスの選手なら話は別ですが、標準記録突破とは無縁のレベルの選手にとっては後半の失速でのロスタイムを少なくしようするための練習に励むのは全く無駄な努力です。その根拠を順を追って説明していきます。

昔、12秒5で走った選手の特性を分析したことがありますが、100m走の特性はスタートから10m地点でトップスピードの約60%、15m地点で約90%の速度に達します。その後、速度の上昇が鈍り40m辺りでトップスピードに達します。40〜70m付近までは、ほぼトップスピードで走り、その後、ゴールまで徐々に失速していきます。ゴール時の速度はトップスピードの約90%になってしまいます。このサンプルの選手ではトップスピードが9m/sだったので、12秒5というタイムからすると前半のスタート加速が苦手な後半追い込み型の選手です。

この選手の例で後半70〜100m区間での失速によるロスタイムを計算してみると、この区間は平均8.5m/sで走ったことになるので、ラスト30mの所要時間は3.5秒になります。もし全く失速せずにトップスピードを維持できたと仮定した場合の所要時間は3.3秒です。したがって、そのは差0.2秒になります。オリンピッククラスの選手でも失速があることを考えると、このクラスの選手がどんなに頑張って練習したとしても失速を半減させるのが限界だと思われます。もし、それが実現できたとしても、0.2秒の半分の0.1秒しか短縮できません。つまり莫大な努力をしたとしても、後半の失速に着眼していては0.1秒の短縮しか成果が期待できないのです。すなわち、このクラスの選手が記録向上を狙うための着眼点としては後半の失速を少なくするという練習に飛びつくのは間違っているという結論になります。これはタイム短縮のために着眼すべきことは別のことにあるということを物語っています。
 

男子100m11秒30の壁  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 7月 7日(月)02時48分13秒   返信・引用  編集済
  男子100m選手では11秒60に大きなハードルがあるようで、この11秒60を境にそれ以上速い選手が激減してしまいます。さらにその先の11秒30にもハードルがあって、11秒30をクリアできる選手はさらに激減してしまいます。
先の14大学対校でも11秒30をクリアできるレベルの選手となると僅か数名でした。100名近いエントリーがあった中での数名です。
経験的に11秒60というレベルは力任せに走る練習を積めば到達できるレベルに思えます。しかし11秒30をクリアできるというレベルは着地時のブレーキ力を上手にさばく技術が必要なように思えます。それは着地時に発生するブレーキ力で上半身の姿勢が崩れないという技術です。つまり着地時に上半身が一つの剛体となっていることが必要です。それを実現するには2通りの方法があって、背筋力、腹筋力を鍛えて筋肉パワーで上半身の剛体状態を作り出す方法と、着地時の姿勢を整えてブレーキ力を背骨の軸で受け止めて上半身の崩れを抑える方法です。前者は背筋や腹筋の筋トレで実現できるものですが後者は走技術の世界です。技術の世界はそこに選手自身が意識してトレーニングを行わない限り実現できるものではないので、多くの選手は筋トレという手段を選んでいると思われます。しかし、現実には背筋や腹筋を必要とされるレベルまで強化できない選手が多いのが11秒30という壁を作り出しているように思えます。

14大学対校で100mに出場した電大生の選手の走りを観察してみると、残念ながら11秒40で走った選手の他は、現時点で11秒30をクリアできる技術力がありそうな選手は見当たりません。11秒30というレベルは100m選手にとってはかなり高いハードルになっていると思います。
 

14大学対校100m分析・続編  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 7月 6日(日)01時29分53秒   返信・引用  編集済
  先の14大学対校100m分析の続きです。

後半50〜100mでの平均速度を元に仮想タイムを算出してみました。この仮想タイムは、私がそのレースで発揮された走力から対策ポイントを見つけ出すための指標としているものです。経験則から仮想タイムは100mを平均速度で走ったと仮定したタイムに1秒を加算した値として計算しています。
判りやすく例えれば、100mを10秒フラットを狙おうとするならば、その選手が10m/s以上の走力を持たなければ10秒フラットでは走れません。実際はスタートから徐々に加速して行くので10m/sの走力では間違っても10秒フラットには届きません。そこでこの加速部分で余分にかかるタイムとして1秒を加えています。この計算式では10m/sの走力を持つ選手の仮想タイムは11秒0となります。

先の6選手について仮想タイムを算出した結果をカギ括弧内に示しています。もし、そのレースで大きな失敗点の自覚がないのならば、実際のタイムが仮想タイムとほぼ同じなら走力相当の走り(○の選手)です。実際のタイムが仮想タイムより0.1秒以上遅い場合は、前半区間で走力相当の力が発揮できていないことになり(▲の選手)前半のスタート加速に弱点が潜んでいます。逆に実際のタイムが0.1秒以上仮想タイムより速い場合は、後半区間で走力が発揮できていない選手(▽の選手)です。これに該当する選手はトップスピードの持続技術に弱点があります。

11.40/6.2/9.6 [11.4] ○
11.57/6.3/9.4 [11.6] ○
11.76/6.4/9.3 {11.7} ○
11.85/6.5/9.3 [11.7] ▲
11.92/6.3/8.9 [12.2] ▽
12.11/6.6/9.1 [12.0] ▲

レースで大幅タイムロスを起こすような失敗点の自覚があれば別ですが、もしそのような自覚がないのであれば、▲の選手が最優先で取り組むべき課題はスタブロからのスタート加速練習です。スタートから10mを全力で走り、その10mタイムを計測すれば改善効果が判ります。▲の選手の場合、走り込み練習では必要とされるトレーニング内容をカバーできません。
▽の選手の場合は走りのフォームが悪いということになります。トップスピード領域での練習を繰り返すことは体力的にも出来ないので、ドリルを中心としたトレーニングでフォームの矯正をして行くことになります。特に▽の選手の場合、走り込みでの練習では悪いフォームを定着させてしまうリスクがあるで逆効果になる場合があります。
○の選手は走力相当の走りが出来ている選手です。前半と後半での走りのバランスが取れているので、トレーニングのやり方にも工夫が要ります。このバランスを崩さないように全体のレベルを引き上げて行かないと、現在それなりにまとまっているフォームの悪化を招いてしまう恐れがあります。○の選手は、男子100mタイムでは一つの関所になっている11秒6をクリア可能なレベルなので、記録をさらに大きく向上させるにはいくつもの高度な走技術の修得が必要です。
11秒6をクリアできる選手とできない選手とでは、記録をさらに伸ばすためのトレーニング方法が全く異質なものになってしまいます。特にその上の関所になっている11秒3をクリアするには、いくつかの高度な技術をマスターしないと実現できません。多くの選手が一所懸命練習してもなかなかその域に到達できないのは高度な走技術を修得できないからです。このクラスの選手では個々の選手が、それぞれ取り組む課題を持って個々で自分のトレーニングを行うスタイルになってしまいます。どこの筋肉を使って身体をどのように動かすかというテーマに取り組むことになります。したがって実際のトレーニングだけではなく、それを実現して行くためには広範囲な分野の座学も必要になります。
こうなると皆で同じメニューを行うスタイルのトレーニング方法では高度な技術の修得練習にはならないので、このクラスの走力を持つ選手からは一匹オオカミ的な練習スタイルになって来てしまうはずです。
 

14大学対校100m分析  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 7月 5日(土)02時11分26秒   返信・引用  編集済
  先日の14大学対校で100mに出場した電大生6名の走りをビデオ映像を元に分析してみました。以下の分析結果は、100mタイム/50m通過タイム/50〜100m区間での平均速度(m/s)の順で記しています。

11.40/6.2/9.6
11.57/6.3/9.4
11.76/6.4/9.3
11.85/6.5/9.3
11.92/6.3/8.9
12.11/6.6/9.1

参考までに対校で優勝した選手を同じ観点で分析すると、

10.97/6.1/10,2

となっています。

このように分析してみると10秒台で走った優勝選手と比べてもほとんどの選手は50mの通過タイムが極端に遅いというわけでもありません。大きな違いは後半50m区間での平均速度にあります。この結果からは重大なことが結論づけられます。もし電大生が優勝選手と同程度の練習時間を費やしているのであれば、それは電大生が今まで行って来たトレーニング内容は100m選手としてのトレーニングにはなっていないということです。それが練習メニューの問題なのか、あるいは練習方法に問題があるのかまでは分かりませんが、少なくとも100m選手のトレーニングとして行われている現在の練習内容には重大な欠陥があるということをこの比較結果は物語っているといえます。
つまりトップスピードを磨くトレーニングが不足しているということです。トップスピードを磨くトレーニングを行おうとすると高負荷での走りをしなければならないので、1本走るごとに最低20〜30分の休息が必要になります。その結果、1日のトレーニング時間内で走れる距離は極端に少なくなってしまいます。すなわち100mで記録を狙おうとする選手はトップスピードを上げるトレーニングが必須となるので、サーキット走や何本もの走り込みをするという練習は100m選手のトレーニング手法としては成立しないと考えられます。100mで11秒30を狙うためには10m/sのトップスピードを出せる走力が必要になると思います。
 

肉離れの原因  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 7月 5日(土)00時36分46秒   返信・引用
  肉離れというのは筋肉が急激に収縮した際に筋膜や筋繊維の一部が損傷してしまうことだそうです。短距離選手のように高速高出力型の動きをする選手の方が肉離れを起こすリスクも大きいと考えられます。
14大学対校に出場していた短距離選手のほとんどが一歩間違えば肉離れを起こすリスクがある走り方をしているように見えました。特に脚力が強い選手であればそのリスクもさらに高まってしまうと思われます。

その走り方とは膝関節の伸展を使ってつま先がトラックに届く限りキックしようとする走り方のことです。通常はつま先キックの状態になっても足の親指の腹と母指球の両方の部分でトラックを押してキックの反力を受けて走っていますが、身体が前傾し過ぎた状態でつま先が外側に向き過ぎた接地になった場合、最後の一蹴りが母指球部が浮いた状態になってしまいます。このとき足の親指が反り返す向きの瞬間反力を受けてしまいます。このとき最後の一蹴りを行おうとしているので膝関節はほぼ伸びた状態になっています。膝を伸ばして足の親指を反り返す向きに引っ張る状態と同じです。この状態というのはアキレス腱やふくらはぎが痙攣を起こした時にそれらを引き伸ばす処置方法に他なりません。つまり下腿二頭筋を瞬間的に大きく引き伸ばそうとする動きになってしまいます。キック時には下腿二頭筋は筋収縮して力を出している状態になっているので、それを強引に引き伸ばそうとする過大な力が加われば、下腿二頭筋の弱い部分(通常は筋肉の端の部分)に集中負荷がかかって肉離れを起こしてしまう危険があります。一言で済ませてしまえば悪いフォームでの走りというこになりますが、その選手が練習熱心な選手であるほど怪我の頻度も多い選手になると思われます。もし練習中や試合で肉離れを起こすことがあれば、練習不足だったと思う前に、自分のフォームには重大な欠陥があることを疑ってみるべきだと思います。そのような選手はどこかに無理がかかり易い走り方をしているはずです。裏返して言えば基本的な走技術の一部にかなり未熟なところがあるということです。

筋肉の部位に関してはこちらのサイトが参考になります。

http://www.h3.dion.ne.jp/~toomo/html/kinzu_r.html
 

14大学対校  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 7月 3日(木)01時04分19秒   返信・引用
  最近は高校の大会とも縁遠くなってしまいました。東京電機大学と縁が出来たので6月28日に町田競技場で開催された14大学対校の観戦に行って来ました。流石に大学生ともなると身体も出来上がって来るせいか、どの大学の選手も高校生の大会に比べて力強さがありました。その反面、短距離ではどの大学でも力任せに走っている選手が多いのにも驚きました。パワーがある分、ちょっとした走りのミスで怪我をしてしまう危険性がある選手も少なくないように思えました。

特に電大生の短距離選手の走りをビデオに撮って注意深く観察してみましたが、特に眼についたことはほとんどの選手が腰の引けた走りをしていて足首を伸ばして出来る限りトラックを蹴ろうとしていることです。このような走り方でストレッチ不足での走り込み過ぎる練習を行っていると下腿二頭筋の両端あるいは前けい骨筋に負荷がかかり、シンスプリントになったりアキレス腱、膝裏下部辺りを痛めてしまう原因になると思われます。体幹軸の形成が出来ていない選手が陥り易い怪我だと思います。その対策としては短距離選手は量を走る練習よりも体幹軸を意識して行うドリルを中心とした練習方法が記録も伸びるようになると思います。
 

100m選手の要素技術トレーニング  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 6月21日(土)00時49分18秒   返信・引用  編集済
  もう1年半程前にこの掲示板の過去ログで紹介したものですが、短距離選手の走りのフォームでの基礎となる要素技術トレーニングドリルです。No18までの技術が意識してできるようになれば、100m男子選手の場合、週1〜2日で、1日当り100mを4,5本走る程度の練習量でも、風0で11秒3台をコンスタントに出せるレベルの選手にはなれると思います。

http://www.ne.jp/asahi/mic/sprintline/strategy/Training_items_v1.pdf

これらのドリルの多くの項目は日常生活の中でも意識をおいていれば、それだけでも効果のあるトレーニングになります。また部屋の中でもできます。実際のトラックで走るのはその技術の完成度を検証するのが大きな目的です。トラックでたくさん走り込んで筋力を強化して行くという伝統的なトレーニング思想ではありません。むしろ、1日の練習量を全力疾走が成り立つレベルの本数に抑え、技術達成の邪魔をしている部分の筋肉は退化させてしまおうという思想です。目指す動きが達成できれば、それに役立つ筋肉は使われ続けるので必要な部分の筋肉のみが鍛えられて行くという思想です。

筋パワーのアップは常時硬直してしまってパワー発生には役立っていない筋肉部分を十二分なストレッチによって柔らかい筋肉状態にほぐして行くことで実現させます。多くの選手では、補強や筋トレによって常時筋収縮している筋肉状態に陥っており、本来今の筋肉で発生できる筋パワーが十分に発揮できない状態になっているいうのが最近の学説にはあります。もっと速くなりたいという気持ちで行う筋トレや補強が、逆に遅くさせる原因となってしまうので補強や筋トレは一切やらないというのが基本思想です。

このトレーニング思想を簡単に言ってしまうと、「走り込まない、筋トレや補強もやらない、筋肉をほぐす十二分なストレッチの実施と要素技術の完成度を上げて行く」というやり方になります。そして、このトレーニング方法を実践する上で、いちばん重要な環境が日常生活で履いているシューズになります。靴底が薄くフラットなシューズをいつも履くようにすることです。踵が持ち上がったランニングシューズのような靴は身体の重心が前に少し移動しただけで走り出しやすいように踵がつま先よりも持ち上がるように作られています。いつもこのようなシューズを履いていては身体の軸を地面に垂直に保つ感覚を磨けません。

このトレーニング思想の原点は正しい身体の垂直軸を作り上げることから始まります。トラックでの練習がトレーニングではなく、歩く姿勢、立っている姿勢を日常生活の中で意識して作ることがトレーニングのベースになっています。トラックではその成果を走りで試し改善すべき点を見つけ出すのが主体です。トラックでの走る量はかなり少なくなりますが、日常生活の中でトレーニングが絶えず行われているので、走り込みトレーニングと比較すると実際のトレーニングに費やしている時間は桁違いに多くなっています。
 

予習と復習  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 6月17日(火)01時18分44秒   返信・引用
  予習と復習、勉強のことではありません。トレーニングにおける予習と復習のことです。世の中には様々なトレーニング理論が発表されていますが、織田フィールドで多くの学校の練習風景を眺めているとそれらのトレーニング理論を勉強していない選手が多いように思います。高い目標の志を持つ選手であれば、いろいろなトレーニング理論を勉強し自分が共感できるトレーニング理論を自ら予習し、実践し、その問題点や難しい点を復習するということを繰り返さなければ目標の達成は夢物語に終わってしまうことでしょう。何の知識もなくただ走っているだけのトレーニングでは、偶然の出来事に出逢わない限り大きな飛躍は困難だと思います。
一流選手の著書を読むと、自分の走りに何の思想も考えもない選手はいません。高い目標を達成しようとするならば実際に身体のトレーニングを行う以上に思考能力も鍛えて行く必要があるといえるでしょう。もし、これから実際に身体を使って行おうとするメニューやドリルで狙う達成目的をトレーニング理論に基づいて具体的に説明できないようであれば、その運動は疲れることをやるだけの意味にしかなりません。それが同じことを行うにしても、明確なターゲットの有無によるトレーニングの質の良し悪しの違いとなってなって現れて来てしまいます。
 

だれでも足が速くなる  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 6月15日(日)02時28分30秒   返信・引用
  「朝原宣治のだれでも足が速くなる」。まもなく36歳になるのに、日本の100m第一人者に君臨する朝原選手がノウハウを記した著書です。昨年の夏に出版されたようですが、今日本屋に行って見つけたので買って来ました。130ページ足らずの本ですが、かけっこの極意8つと簡単にできる練習ドリルが紹介されています。さすがにコーチもおらず独学でいまの地位を築いてきた選手だけあって朝原選手が述べている8つの極意には、多くのトレーニングで主眼が置かれている筋力強化などということはひとつもありません。やはり100m走競技は技の出来栄えを競う競技であるということを述べていると思います。伝統的なトレーニング手法で伸び悩んでいる100m選手にとっては貴重な教科書になるでしょう。おそらく速くなるためにはたくさんの走り込みをすべきという従来のトレーニング手法を疑って自ら試行錯誤して来た選手であれば、この本で述べられている8つの極意に到達するはずです。朝原選手も練習は量より質が大事というこをこの本で述べています。質の悪い(技術が未熟な)走り方でいくら走り込みを行ったところで記録が大きく伸びるはずもありません。金曜日にも織田フィールで多くの選手の走りを観察していましたが、大部分の選手は未熟な技術のまま走り込みばかり行っているように感じました。高度な技術を身につけたい選手にとって、この本はバイブルになると思います。
この本は学習研究社から出版されています。価格は税込1260円です。100mを速くなりたい選手はこの本を座右の銘とするようにお勧めします。
 

織田フィールド  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 6月12日(木)01時35分59秒   返信・引用
  水曜日は渋谷に出張していたので仕事帰りの夕方、一般開放日の織田フィールドに立ち寄ってみました。一般開放日は無料ということもあって多くの部活が練習に来ており過密状態になっていて、これでは質の高いトレーニングを実現するのは難しい環境だと感じました。せかされるように次から次へ走り出さなければならないような過密状態では、100mのように集中力が必要になる選手にとってはつらい練習環境だと感じました。正直、都心部にある無料開放の競技場とちょっと離れた1レーンを占有して練習できる1日300円の競技場とでは、練習の成果に大差が生じてしまう可能性を実感しました。都心部では練習場所にもある程度のコストをかけない限り、好記録を手に入れようとするのは難しくなってしまうのかもしれません。  

町田市立陸上競技場  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 6月 9日(月)02時00分52秒   返信・引用
  6月28日(土)に14大学対校陸上競技大会が開催される町田市立陸上競技場に初めて足を運んでみました。高台というよりも山の上にある競技場でしたが、上柚木競技場よりも立派な競技場でした。トラックは国立競技場、東京体育館に類似したウレタン舗装の高反発の高速トラックのように見えました。高速トラックは接地を上手くやれは好記録が出やすい反面、接地が下手だとブレーキ力も大きくなってしまうトラックなので、大会当日のコンディションが良ければ100m選手では記録に明暗が分かれる結果になると思われます。接地技術に自身を持てない100m選手なら7mmピンで走ることをお勧めします。
競技場には午後3時まで営業している小さな売店がひとつあるだけで、ペットボトルの自動販売機がないのには少々驚きでした。もちろん、山の上の広大な野津田公園の中にある競技場なので周囲にはコンビニもありません。最寄のコンビニまでは1km以上の距離がありそうなので、大会参加者は昼食と飲み物を駅前で調達しておかないと悲惨なことになる競技場です。上柚木競技場以上に食料や飲み物の調達は不便な環境でした。
競技場へのアクセスは小田急線の町田駅近くの町田バスセンターからがバスの本数が多いようです。
また、6月21日(土)は空いているようで1日中(9:00〜19:00)、個人利用日となっていたので、大会前に一度トラックの感触を試しておくチャンスもあります。

町田市立陸上競技場HP
http://www.city.machida.tokyo.jp/shisetsu/sport/sport06/index.html

町田市立陸上競技場の地図
http://map.yahoo.co.jp/pl?p=%C4%AE%C5%C4%BB%D4%CC%EE%C4%C5%C5%C4%C4%AE2035&lat=35.58873472&lon=139.44168139&type=&ei=euc-jp&sc=3&gov=13209.33.412
 

筋トレの落とし穴  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 6月 6日(金)01時59分30秒   返信・引用  編集済
  筋力強化を狙って練習の中で補強運動を行うことがあると思いますが、よくよく考えてみると筋力強化を狙った筋トレというのは、大きな落とし穴が潜んでいるように思えます。筋肉は収縮することで力を発生させるメカニズムにより身体の部位の変位を起こさせます。その力を強化すれば競技力が向上できるという論法により補強運動と称する筋トレが広く行われていると思われますが、ある筋肉の収縮により身体の部位の変位が発生するということは、その一方で、その変位を元の位置に戻すための別の筋肉が引き伸ばされるということが起こっています。つまり筋収縮で発生した力の一部が、変位を戻すための筋肉を引き伸ばすことにも消費されているはずです。
筋力の増加は筋繊維の増加ではなく筋繊維の肥大(断面積の増加)によって生じると言われているので、筋トレによって筋繊維が肥大して筋力が増加することになりますが、同時に変位を戻す方の筋肉も肥大させて過ぎてしまうと、伸ばすために消費される力も大きくなってしまいます。結果的に、力の相殺が発生して静的な筋力値は増大したとしてもダイナミックな動きに有効な筋力が相殺作用により増加できないという落とし穴を持つリスクがあると考えられます。
つまり、選手自身が身体のどの部位の動きをどのように改善したいのか明確な意図を持ち、高度な専門知識を持つトレーナーの管理下で行われる筋トレであれば効果も出ると思いますが、漠然とした筋力強化という意味合い行われる筋トレでは百害あって一利なしという結果をも招きかねません。もっと速く走れるようになりたいということで行われている筋トレや補強運動の効果が、実際には走りを遅くするための筋トレになっている危険性もあるということになります。
身体の動かし方を変えれば使われる筋肉も変わるという大原則があります。高度なトレーナー知識を持たない選手が素人判断で筋トレに励むくらいなら、筋トレなどやらない方がリスクも少ないはずです。筋トレに費やす時間があるのなら、その時間を速く走れるための身体の各部位の動かし方を試行錯誤してみることに費やした方がより効率的なトレーニング手法になるでしょう。
 

競技場での輪  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 6月 1日(日)02時34分25秒   返信・引用  編集済
  先週の土曜日は新座競技場に出向いたら偶然にも清高の部活にも遭いましたが、さらに府中競技場でよく見かける30代半ばの人たちのグループも練習に来ていました。府中競技場が5〜6月は改修工事で閉鎖されているので新座に来たそうですが、意外なとことで遭遇したので初めて話をしました。みなさん110Hの選手ですが、話してみると、熱心に練習している選手だけあって、自分の走りの問題点をよく認識していて、どのような動きに改善したいのかという具体的な動きのイメージを持っていました。社会人なので練習時間や体力的にも練習量も限れてしまうからこそ、改善すべきポイントを押さえた効率的な練習内容で行うようにしているのだと思います。

私はただ走り込めば速くなるという練習内容の考え方には懐疑的です。選手自身が動きのイメージを頭に描いて走り込んで行けば伸びると思いますが、その走りのイメージを頭に描いていない選手がただ走り込むだけのハードな練習を続けたとしても、そんなには速くはなれないと思います。

かなり前に紹介したミウラスポーツクラブですが、ホームページがリニューアルされてクラブ紹介の中にトレーニングポリシーが紹介されていました。一週間に一回、それもたった2時間の練習量で全国レベルの少年少女選手が数多く育つのが不思議だとは思いませんか? それを不思議とも思わないような観察力の低い選手であれば、間違いなく、いくら練習しても平凡な記録で終わってしまう選手になってしまうでしょう。それば練習メニューでも練習量でもなく練習内容の質の成果を物語っていると思います。
クラブに入ってくる少年少女は走ることが好きな普通の子供たちでしょうから、そのような子供たちを、コーチ陣が一人ひとりを観察し、個々の選手ごとに、正しい動きが出来るように個別の練習を行うやり方を取っているからこそ、そのような輝かしい実績を生んでいるのだと考えられます。それを裏返せば、一般的に行われている集団で同じことをする練習方法というのは、個々の選手が持つ隠れた素質を潰してしまう練習方法になっているとも言えるでしょう。練習方法には正解というのが定まらないと思いますが、数多くある陸上クラブの中でミウラスポーツクラブの実績は、集団で同じことを練習していては個々の選手の素質を引き出すことがかなり難しいということを物語っていると思います。

http://www.miura-sports.com/t&f/t&f.htm
 

風速とタイム  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 5月30日(金)00時25分13秒   返信・引用  編集済
  様々な風速でのレース記録を評価する場合、経験的に100m走での風速とタイムとの関係が風速1m/秒につき0.1秒程度の相関があることを把握していましたが、北海道陸上競技協会で行われている標準記録審査で同様な補正方法が用いられていることを見つけました。

http://hrk.ifdef.jp/shumoku_kijun/sinsakijun.htm

実際のレースでは、その日の天候により風速も異なってしまいますので、実力が伸びたのか、あるいは停滞しているのかを判断する指標として、実際の記録を風速0とした値に換算してから評価しています。追風2mまでは公認記録として認定されますが、実力が伸びた結果として出せた記録なのか、たまたま風に恵まれて出た記録なのかでは、今まで行ってきたトレーニングの効果判定に対する意味合いも異なって来てしまいます。
実際に追風2mで11秒8を記録した選手の場合、実力レベルとして風速0では12秒0程度だと思われます。このような選手の場合、ちょっと強い向い風のレースになると、すぐ12秒台の記録になってしまいます。
男子選手の場合、100mでは11秒5の辺りに多くの選手がなかな突破できない大きなハードルがあるように感じています。風に恵まれれば11秒3台が出ることもあるのですが、その後、いくら練習しても記録は頭打ちになってしまうという選手が多い傾向にあると思います。

その原因として私が考えているのは日常行っているトレーニング内容の効果です。多くの選手が日常的に行っているトレーニング内容が11秒5をゴールとする選手を作る内容になってしまっているのではないかと疑いを持っています。当然、12秒0をゴールとするトレーニング内容にしかなっていなければ、かつて11秒5の実力を持っていた選手であっても、だんだんと12秒0レベルの選手に落ちて行ってしまう危険性があると思います。11秒5の壁というのは、一般的に行われているトレーニング内容であればそのレベルの選手ができるということを物語っているのかもしれません。逆に陸上強豪校というのは、もっと高い実力レベルの選手を作り上げるトレーニング内容のノウ・ハウを持っているということになるでしょう。

選手自身が目的意識を持って絶えず何をどうすると考えながらトレーニングを行っていれば、その選手は伸びて行くと思います。逆に集団でいつも同じことをやっているだけのトレーニングであれば、そのトレーニング内容の質でゴールが決定されてしまうと考えられます。そのトレーニングの質で達成できるゴールにたどり着いた選手は、既にマスターできたことを繰り返しているだけになるので、その先の伸びは期待できないということになってしまうと思われます。陸上競技は個人競技なので、個々の選手が自分が克服すべき課題に優先度をつけて、それぞれが自分のトレーニングに取り組むというのがもっとも効果的なトレーニング方法といえると思います。選手個々のトレーニングであっても、練習仲間が同じ場所でトレーニングを行うということには自分の走りをチェックしてもらえる眼となるメリットがあります。つまり自分がイメージしている感覚と実際に出来ている走りとのギャップを選手自身が知るためには仲間の眼でチェックしてもらえれば、自分の改善すべき点をすぐに把握できるメリットがあります。
 

接地点の真上に腰を載せる  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 5月26日(月)02時10分7秒   返信・引用  編集済
  短長距離に関わらず接地の瞬間に接地点の真上に腰を載せるというのが走りの基本形になります。特に100mのような全力疾走する競技では、多くの選手が接地点が腰よりも前に位置してしまっています。腰よりも接地点が前方に位置するほど接地時に発生するブレーキ力も大きくなってしまうので、練習ではその点を意識しながら走り方の改善を模索していく姿勢がなければ、いくらたくさんの走り込む練習を行ったとしても無駄な努力に終わってしまうような気がします。この腰を載せる動きの練習方法としてミニハードルを使った練習がありますが、その練習の意味を理解せずにミニハードルを使った練習を行うのもまた無駄な練習になってしまうと言えるでしょう。

トレーニング内容にはそれぞれそのトレーニングの意図があります。もし、そのトレーニング内容での狙いを選手自身が理解できていなければ、そのトレーニングメニューは形だけを真似ているだけの無意味な苦しみを得るだけのものになってしまいます。100mの後半の失速を改善するために150mとか200mとかの距離を走り込むというやり方がよく言われます。この方法論は一見正しいように思えてしまいますが、大腿四頭筋に頼った走り方をしているかぎり、その練習効果も少ないと思います。大腿四頭筋が力を発揮できるのはせいぜい数秒程度と言われているので、それが苦労したトレーニングで1、2秒程度伸ばせたとしても100mを走り切るだけの時間はカバーできません。つまり多大な苦労して僅かな成果を狙うトレーニングのやり方に時間を費やすよりも、ブレーキ力を減らすと走り方への改善という、理にかなうトレーニングの方へ時間を使った方が、その先の発展性への違いに雲泥の差を生じます。全てのトレーニングメニューというのは、先人たちが残した形の部分だけが伝わっていて、それをどのように行うのかという肝心なノウ・ハウの部分が伝われ切れていないように思います。本質を把握せずに形だけをまねたトレーニングというものには意味がありません。

補強運動として足を上げたり、上体を起こしたりする腹筋運動を行っている選手も多いかと思いますが、短距離選手が本当に必要とする腹筋はみぞおちに近い部分のようなので、腹筋運動で鍛えられる下腹部の腹筋ではありません。つまり従来の補強運動として行っている下腹部の腹筋の強化方法では強化できない部分です。極端なこと言ってしまえば、従来の腹筋補強運動は短距離を速くしたいために行っているのであれば無駄な努力ということになってしまいます。このように常識として行っているようなトレーニング内容を全て疑ってかかったときに、また新たな発見もあります。いつも人の教えを鵜呑みにする選手であれば、その教えてくれる人を越えられる選手にはなれません。絶えず世の中のトレーニング常識が全て正しいとは限らないと疑いを持ち続ける選手にならなければ名選手にはなれないはずです。朝原選手の特集テレビ番組を観て、朝原選手はまさにこのような選手であったからこそ、長年に渡って日本短距離界のトップに君臨出来たのだと思いました。
 

体格の変化  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 5月21日(水)01時37分49秒   返信・引用  編集済
  短距離、特に100mでは中学時代や高校時代に記録した自己ベストをその後なかなか更新できないで伸び悩んでいる選手も多いようですが、その主要因として体格の変化が考えられます。特に中高生の時期は身体の成長も著しいので、痩せた体格の割りには筋力が先に発達していた状態だったというケースもあるかと思われます。そのような場合は、成人の体格に成長して行くに連れて走り方の方も変化させて行かないと自己ベストの更新も難しくなってしまうでしょう。

不思議なことに先のアテネオリンピックに出場した日本の100m代表選手3名は、ほぼ平均体重に近い体格です。成人になっても速く走れる体格というのは痩せすぎでもなく太りすぎでもない体格になっているようです。中高生時代にそのような体格で速く走っていた選手であれば重い身体を動かす技術が身に付いているので、大学生になっても、その延長の走り方で記録を伸ばせる可能性も高いと思われますが、痩せすぎだった選手が成長して平均体重に近づいた場合には、中高生時代の走り方の延長では記録向上も望めなくなってしまうと思います。もしそのような選手だったら身体の成長に合わせて走り方も改善して行かない限り自己ベストの更新も難しくなるような気がします。十年一日のごとく過去の走り方に固執していては体格の変化への対応が出来なくなってしまうので、身体の成長に合わせた走り方の変化も必要というのが、自己ベスト更新を狙うための必要条件になっていると考えられます。

ここで重要なことは、どのようなメニューでトレーニングを行うことかということではなく、トレーニングで修得すべき本質は何かということを考えることです。トレーニングで修得すべき本質が把握できれば、自ずと今やるべきトレーニング内容も定まって来ます。そこを選手自身が自覚できた時に真の自己ベスト更新への挑戦が始まるのです。
 

短距離走での腕振り  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 5月12日(月)00時32分4秒   返信・引用
  腕振りの練習を行っている選手は少ないがと思いますが、全力疾走を行う短距離走では腕の振り方ひとつでタイムも変わって来てしまいます。腕振りというのは一見簡単なように見えても、特に100m選手にとっては、かなり高度な技術が要求される代物だと思います。

多くの選手はレースでも腕振りを意識することなく何気なく振って走っていると思いますが、接地のタイミングと手首の位置が体の真横を通過するタイミングとの関係が最適な状態になったときに好タイムが出ます。しかし、それを合わせなければなならいタイミングの許容範囲というのはビデオでも解析できない100分の1秒以下という時間のレベルが必要になるようです。このレベルの技術を身に付けるためには、腕振りを意識しながら行ったとしても相当な量のトレーニングを要すると思います。肩の位置、肘関節の伸展方法、手首の向き、指の曲げ具合、振るタイミングなど最適な腕振りをするにはいくつもの要因があるので、それらの最適なポジションを見つけ出さなければなりません。

腕振りのタイミングを合わせるには、前から後ろに振る感じで走るよりも、後ろから前に腕を振る感じで走る方が腕振りのタイミングに関しては合わせやすくなります。多くの選手は肩の位置が若干体の前になってしまう傾向にあるので、胸を張って肩の位置を体の後ろの方へセットして走るトレーニングも必要だと思います。自分の走りに適した腕の振り方が出来るようになるだけでも記録は伸ばせると思います。
 

アゴを引く走り  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 5月11日(日)02時14分34秒   返信・引用  編集済
  短距離ではアゴを引いて走れと言われていますが、その理由はアゴ関節をロックし、走っているときの共振による頭のブレを抑えるのが目的と考えられます。体幹軸を作るという側面から見ると若干アゴが上がり気味になる位置が最適な状態になりますが、その状態では重力で口が開き易くなってしまいます。アゴ関節がロックされた状態になっていないと走っているときの振動でアゴだけが上下に振動してしまい、その影響で頭部が揺れてしまう弊害が発生すると考えられます。それが体幹軸を乱す原因となりキック力で体を推進させる効率を落としてしまうことになると思われます。

拳で下唇の下の部分を軽く叩いてみたときに歯がガチガチと鳴るようであればアゴ関節はロックしていない状態です。あるところまでアゴを引いて行くと歯がガチガチ鳴らなくなるのでアゴの関節がロックされた状態になります。だからアゴを引いて走れと言われているのだと思われますが、アゴをやや上げた体幹軸の理想形の状態でも奥歯を食いしばっていればアゴ関節はロックされるので、このようにすればアゴを上げた状態でもアゴ関節をロックできるソリューションが存在します。
 

トラック表面形状とスパイクピン長さ  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 5月 7日(水)01時31分36秒   返信・引用  編集済
  国際大会ではスパイクピン長さは7mm以下という規定があるので、上級者向けモデルのピン固定式スパイクのピン長さは7mmになっていますが、多くの選手は一部又は全部のピンが交換可能なスパイクを使っていると思います。国内大会ではピン長さが9mm以下という規定が適用されるので、強いグリップ力を必要とする100〜200m選手では9mmピンを愛用している選手も少なくないはでしょう。でもこれは両刃の剣という危険も潜んでいます。グリップ力が強いということは下手な接地をしたときのブレーキ力も強くなるということです。プラスの効果だけに眼を奪われてマイナス面を見過ごしてしまうことも多々ありますので、スパイクピン長さの選択というのは記録を狙う上で重要な意味を持つと考えられます。さらに厄介なのは国際大会はノンチップの高速トラックの競技場で開催されますが、一般の大会ではノンチップトラックだったり、チップトラックだったりと大会が開催される競技場によってトラックの表面も様々です。チップ系のトラックでも大粒のチップ表面と比較的小粒のチップ表面とがあってピンの刺さり具合も違ってしまいます。中長距離選手ではそんなにピン長さに気を配る必要もないと思いますが、全区間全力疾走になる100m選手ではトラック表面とピン長さのセッティングにも気を配らなければ大会での自己ベスト更新も狙えないでしょう。

100m選手なら普段の練習では練習場所のトラック表面形状に関わらず7mmピンの装着をお薦めします。普段の練習では距離を走るので足への負担が少ないように短いピンが適していると思われます。グリップ力の少ないピンでも速く走れるように練習することは走技術の向上にもつながります。新品のスパイクに装着されて来るピンはほとんどが8mmピンなのでスパイクを買った時のままの状態で使っている選手はピン交換が必要です。
大会の時は競技場のトラック表面を見てその競技場がチップトラックなら8mmに付け替えてチップに邪魔されてピンの刺さる量が減少してしまう分を補うようにしましょう。ただしスパイクの底面の仕上げ形状によっては、チップによる摩擦力が増えてピンが刺さる量の減少分によるグリップ力低下が相殺される場合もありますので、実際にアップで走ってみて、最終的にはその競技場と最適なピン組み合わせを自分のKNOW/HOWとして築き上げて行くしかありません。競技場も何年かに一度の割合でトラックの全面改修工事が行われるので改修後のトラックはグリップも大きく違ってしまいます。

最近では、2年ほど前に夢の島競技場が全面改修されて改修前に比べてトラックのグリップがかなり強くなりました。年月が経つにつれてトラック表面が風化してくればグリップも落ちて来ると思いますが、今の夢の島競技場なら7mmピンでも十分なグリップ力が得られると思います。逆に接地技術に自信のない選手がもっと長いピンを夢の島競技場で使うと、ブレーキ力の方が大きくなってしまいタイムが落ちてしまう可能性があります。
 

支部予選  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 4月29日(火)01時39分7秒   返信・引用
  支部予選お疲れ様でした。都大会出場を決めた選手は頑張ってください。受験を目指す3年生はこの支部予選を最後に引退してしまう選手もいるかと思いますが、今年は学年別大会が例年より3週間ほど前倒しの日程で6月上旬に開催されるので、受験を目指す3年生でも出場出来そうですね。

今回、初めてビデオ撮影をせずに支部予選の短距離レースを肉眼で観戦していて私が今まで気づいていなかった発見をしました。その発見とは多くの選手がなかなか記録を伸ばせない原因は練習不足というより個人の無意識に出る癖が大きな原因を占めている可能性が高いということです。アゴが上がってしまう癖、手を拳にして腕全体が力んでしまう癖、接地足ががに股になってしまう癖など、本人が無意識で行ってしまう癖が記録向上への最も手強い敵となっていると感じました。
 

大会前の100mフォーム確認  投稿者:多兵衛  投稿日:2008年 4月24日(木)01時08分28秒   返信・引用
  無意識で練習していると細かいところの動作が忘れ去られてしまうので、大会前に自分の100mでの走り方を再確認しておくようにしましょう。

・腕振りの手はパーが基本です。グーのように握ってしまうと肩に力が入ってしまい腕振りでの推進力が低下してしまいます。パーといっても指は平手打ちをするときのように親指以外はお互いにくっついた状態でのパーです。

・加速区間が終わって身体が起きたら背筋を伸ばし胸を張り肩を後ろにセット。トップスピード域での姿勢は前屈を少なくして直立姿勢が基本です。さらにお腹で尻相撲をする感じでおへそを前に突き出すような姿勢を維持すれば、腰位置も高くなると同時に前に出て来るので接地ポイントが身体の真下近くに近づいてブレーキ力発生が抑えられます。正しい直立姿勢の位置は走っているときに自分が感じる姿勢よりももっと起こした位置です。直立姿勢では走りながら両肩を後ろの壁に寄りかからせているように思えるくらいの感覚になるようです。

・ストレッチで脚のねじれを補正。壁に寄りかかって両脚を股関節幅で伸ばして座るとつま先が外側を向いてしまう選手が多いと思います。踵からつま先が垂直になるように脚をねじるストレッチを繰り返して足の向きを修正しておきましょう。このストレッチでは股関節周りの筋肉が伸ばされるのが分かると思います。
 

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